ラガとカベスタニーの接戦、藤波は4位
この人が勝ったというのは、もはやニュースにはならない。トニー・ボウ
インドア世界選手権Xトライアル第3戦は、フランスの港町マルセイユで開催された。今回のXトライアルは、いつもとちがって変則的に、金曜日と土曜日の夜の2日制で開催された。どうやら主催者が、よりたくさんのお客さんを動員したい(切符を売りたい?)と思ったようだ。金曜日はクォリファイのみ、土曜日はセミファイナル以降。いつもなら、クォリファイはお客さんのいないところでの勝負となるのだが、今回はすべての勝負がお客さんを前に争われる。
結論を先にいえば、優勝はやっぱりボウ。今回は2位のラガの12点に対して7点。圧勝だが、ダブルスコアちょっと。開幕戦がひと桁違い、第2戦がトリプルスコアだったから、あえて勢いが落ちてる、とあえていってみる。そういう見方をしないと、どの大会も(ボウに関しては)同じに見えてしまうから。
JTGデビュー戦のポル・タレス。結果は7位。走り自体は悪くなかったのではないかという
今回の目玉ニュースのひとつに、ポル・タレスのXトライアル・デビューがあった。ポルは2010年のユースクラスチャンピオンで、2011年はジュニアクラスに参戦。今年ももう1年ジュニアクラスを走ることが決まっている。Xトライアルは、前年のジュニアクラスのチャンピオンがノミネートライダーに選ばれるが、現役のジュニアクラスのライダーがXトライアルを走るのはこれが初めてだ。
もちろん、注目はライダーとしてのタレスの走りにも集まるが、やはり興味の焦点はタレスが乗るJTGのポテンシャルだろう。会場にはJTGの生みの親でもあり、ポルのおじにもあたる7回の世界チャンピオン、ジョルディ・タレスも姿を見せて、タレスが作ってタレスが乗るトライアルパッケージのデビューを見守った。
しかし今回、マルセイユのセクションはいつになくむずかしかった。持ち時間もぎりぎり。過酷なセクションになると、圧倒的実力を持つ一握りのトップライダーが上位を独占する。ポルのデビュー戦としては、ちょっとむずかしすぎた感じはあり、10人中6人がセミファイナルに進出するクォリファイで敗退となった。
しかしポルの成績は32点で7位。ジュニアチャンピオンの先輩で今年のXトライアルを全戦走るアルフレッド・ゴメスやマイケル・ブラウンをしのぐ成績は、マシンとライダーの潜在能力の片鱗を見せたものだったかもしれない。次なる機会が楽しみだ。
ダブルレーン。速けりゃいいという、トライアルらしくないわかりやすいレース。手前はロリス・グビアン
金曜日のクォリファイが終わって、ダブルレーンから始まるセミファイナル。結局6人に残ったのはボウ、ラガ、カベスタニー、藤波、ファハルド、グビアンといつもの顔ぶれ。4人のスペイン勢に藤波がくらいつくという展開だが、今年、予想外に善戦しているのが、フランス人のロリス・グビアンだ。グビアンはいまだファイナル進出にはいたっていないが、毎回セミファイナルを走っている。第2戦ではファハルドを破って5位にも入った。すねようが泣こうがインドアといえばスペイン人が圧倒的に優位(みんなのレベルが高いというのもあるが、大会もあるしセクションもある。世界選手権で走るセクションの半分は、彼らにとってはいつも走っている構成物だ)という現実の中、フランス人のグビアンの活躍は一筋の光明ともいえる。もちろんグビアンよりうんと大きな巧妙が藤波貴久であることはまちがいない。
マインダーのカルロスの指示に合わせてマシンを飛ばしてくる藤浪貴久
藤波は、今年になってクォリファイでの成績がいまひとつだ。去年あたりは、3位でクォリファイを通過することなどよくあったのだが、クォリファイの結果とファイナルの結果はほとんど一致しないので(厳密には、ファイナルで同点の場合はクォリファイの結果が加味される)、クォリファイではがんばりすぎないほうがいいのかもしれない。そういえば、今年まだ一度もファイナルを走れていないファハルドは、クォリファイではいい成績で走っている。
藤波は、今回もまたファイナル進出をはたした。クォリファイを、4位のファハルドとも6位のグビアンとも1点差の5位で通過した藤波は、まずセミファイナルではグビアンと対戦。ところがここで、第2戦に続いて負けてしまった。
今年から、ダブルレーンのルールが変わって、ゴールが速ければいいということになった。去年までは、トライアルなのだからと足をついたら1点減点としたうえで、負けたほうに1点減点がついていた。だから勝負に勝っても足をついてしまえば結果は同じということになる。今年はたとえ転んだとしてもゴールに速く飛び込んだら勝ちということになった。わかりやすい。
しかしその分、スピードは速い。その結果、一瞬のミスもでやすいことになる。藤波がミスをしたのは、往復するダブルレーンのターンポイントだった。足をついても転んでもいいがミスができないのがダブルレーン。これもまた、むずかしいスポーツだ。
これで藤波は、グビアンとファハルド、ボウに1点のハンディを持ってファイナル進出をかけた4セクションに向かうことになった。ボウは敵にはならない。事実上、ボウ、ラガ、カベスタニーの3人のファイナル進出はまずかたいから、残る1席を藤波とファハルド、グビアンで争うのがいつもの展開だ。そのライバル二人に1点ビハインドは苦しい。
しかしまず、グビアンに対しては第1セクションで同点まで追いついた。第2セクションで藤波が1点プラスタイムオーバーの2点(セクション持ち時間をすぎると、30秒ごとに1点減点となっている)で抜け、ファハルドが5点になったことで、ここでファハルドにも追いついた。グビアンには2点リードとなったので、相手はファハルドひとりとなった。
どうにも歯車が噛みあわないベータのジェロニ・ファハルド。今回もセミファイナル敗退
第3セクションは3人とも5点で勝負つかず。最後のセクション、まずグビアンが走って(走る順番はクォリファイの下位からとなっている)2点とタイムオーバー2点で4点。これで、グビアンのセミファイナル敗退は決まった。
次に藤波が走る。ファハルドと同点だが、同点の場合はクォリファイ上位の者がファイナルに進出するから、藤波にすれば同点では負け。ここはセクションが長くて、タイムオーバーの1点は避けられない。だからベストが1点ということだ(ボウはクリーンしているが、この人は別)。藤波のスコアは、足つき1点とタイムオーバー1点だった。
これは微妙な勝負になった。2点はけっして安泰なスコアではない。ファハルドも同じく1点プラスタイムオーバー1点で抜けられる可能性は大きい。足つきなしで抜けていられればリードは大きかったが、そうもいかないのだ。
藤波のあとのファハルドは、しかし藤波が2点で抜けているというプレッシャーに負けてか5点になってしまった。これでファイナル進出は藤波のものとなった。3戦連続、藤波がファイナルに進出、今年、ファイナルに進出するのはいつも同じ顔ぶれ、ということになった。
ラガとタイの勝負のアルベルト・カベスタニー。今回は2位を譲った。
しかし今回の藤波の活躍はここまでだった。ファイナルの一発目のダブルレーンで、藤波は大クラッシュを演じる。それはまるで、去年、このマルセイユのダブルレーンでクラッシュ、首を強打して苦しいシーズン開幕を迎えなければいけなくなった悪夢の再来、とも見えた(FIM提供のプロモーション映像に、そのときの様子がばっちり映っている)。
しかし本人は、それほどダメージは受けていない。以前に痛めた肩を打ちつけて、ちょっと痛い目に遭ったことと、マシンのステップがもげてレバーが曲がり、その修復のためにファイナルの第1セクションはスペアマシンで走らなければいけなくなったのが、このクラッシュの大きなダメージだった。
この時点で、3位のカベスタニーに3点差。第1セクションで5点になって5点差となり、挽回は厳しい。そうなるとさすがの藤波のテンションもあがってこずに、ファイナルはカベスタニーに10点差の29点、4位で終わった。開幕戦4位、第2戦3位と来たから、次は2位かと外野は期待するが、インドアの勝負はそうそう甘いものではないから、藤波としては欲を出さずに、確実にファイナル進出を狙っていく、ということだ。毎回ファイナルに出られないファハルドも、このままおとなしくしているわけはないし、後半戦はスペインのセクションが登場するので、藤波にはますます厳しいシリーズとなっていく。
アダム・ラガも、ボウの追撃より、カベスタニーとの2位争いにどう勝ち抜くかが焦点となってきた
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というわけで、勝負の焦点はスペイン人のトップ3人となっていくが、ラガとカベスタニーの二人は、とてもボウに立ち向かっていける感じではない。今回はラガが好調だったが、それでもセミファイナルの時点で6点差となり、ダブルレーンが終わって8点差となり、ファイナルのセクションでボウがひとつ失敗したので差がつまったものの、それでもボウとラガの間には5点差が開いている。
ラガ2位、カベスタニー3位で、シリーズポイントを見ると同点。もはや、順位を楽しむのであれば、ラガとカベスタニーの、どちらがランキング2位になるのか、という以外にはなさそうだ。
photo:G2F/ FIM
<Posted in 12.01.31 16:30(
12.02.01 18:54 Modified)>
JTGとタレス、マルセイユでデビュー
今週末、1月29日は、Xトライアル(インドア世界選手権)第3戦。独走を続けるトニー・ボウ、これに続くアルベルト・カベスタニーとアダム・ラガの争い。その中に割っている日本の藤波貴久。さらにベータに移籍して早く本領を発揮したいジェロニ・ファハルドと、トップライダーがひしめき合う激戦だ。
このトップ5のほか、フランスのロリス・グビアン、イギリスのマイケル・ブラウン、さらに去年のジュニアクラスチャンピオン、アルフレッド・ゴメス(スペイン)がいつものメンバーだが、今回のマルセイユには、ゲスト参加として、ポル・タレスが初参戦する。
ポル・タレスは、おじさんの世界チャンピオン、ジョルディ・タレスが開発に携わったJTGを駆って、今シーズンはジュニアクラスに参戦することになっている。Xトライアルに参加するには荷が重いというのがふつうの見方だが、さて、どんな走りっぷりを見せるか、乞うご期待だ。
<Posted in 12.01.25 23:30(
12.01.25 23:40 Modified)>
藤波、3位表彰台
3年ぶりとなるインドア世界選手権での表彰台。藤波貴久!
2月21日、Xトライアル第2戦は、スイスのジュネーブで開催された。ジュネーブでのXトライアルは昨年に続いて2度目。ジュネーブはFIM(国際モーターサイクリズム連盟)のオフィスからごくごく近い。FIMとしては、ずいぶん気合いの入ったトライアル大会ともなっている。
勝利はいつものとおりトニー・ボウ。しかし今回は、減点数が一桁もちがうような勝ちっぷりとはいかなかった。それでも2位カベスタニーにトリプルスコア。ボウの圧勝ぶりは変わらない。
2位はカベスタニーだったが、3位には藤波貴久が入った。藤波がインドア世界選手権で表彰台に上がるのは久々のことだ。
右から、ボウ、ラガ、カベスタニー、藤波、ファハルド、グビアンのセミファイナル進出の6人
今回はFIMのお膝元(正しくは、FIMはジュネーブではなく別の町にあるらしいのだけど、その距離はほんの10kmでしかない)での開催ということもあって、クォリファイに参加したのは規定マックスの10名。ノミネートライダーの8名(ボウ、カベスタニー、ラガ、ファハルド、藤波、グビアン、ブラウン、ゴメス)に加えて、おととしのジュニアチャンピオンで昨年Xトライアルに初参戦したジャック・チャロナーとフランス人のベノ・ダニコールのふたりが加わってスタートとなった。
クォリファイで、しかし10人の参加者は6名に絞られてセミファイナルとなる。ワイルドカードのライダーはここであっさりふるい落とされて、セミファイナルに進出した顔ぶれは、いつものとおりとなっていた。ノミネートライダーのうち、ブラウンとゴメスをのぞいた6名だ。このうち4名がスペイン人、残り二人が日本人とフランス人だ。
今回クォリファイでは、ラガがボウを破った。ラガがオールクリーン、ボウは最後のセクションで1点をついた。今回は第1セクションがむずかしくて、多くはここでいきなり5点を取った。第1をクリーンしたのは、ラガとボウ、そして藤波だけだった。ところが藤波は、第4セクションで転落、マシンを傷めてスペアマシンに乗り換えている。ここで若干のタイムロスがあって、5分で5セクションの持ち時間にほんのわずか遅れてタイムペナルティをくらっている。
この結果、トップはラガ、2位ポウ、3位が5点のファハルド、4位と5位は同点でカベスタニーと藤波。この場合、同点決勝が行われて、順位が決められる。クォリファイの順位が、最終結果に影響を与えるルールだからだ。ここではカベスタニーがクリーンして藤波が5点。藤波は5位でセミファイナルに進出することになった。
去年までの藤波は、クォリファイでは好調だったが、その後に不運があって成績を落としていくことが多かった。今年は、クォリファイではイマイチの成績が多いが、これも作戦だろうか。
藤波がグビアンに負けたのはこのダブルレーン。レゴブロックみたいにでこぼこしていて、走りにくい
セミファイナルは、まずスピードレースが行われる。クォリファイの結果から、藤波対グビアン、カベスタニー対ファハルド、ラガ対ボウの対決だ。藤波とグビアンなら格からして藤波の楽勝だが、わずかにラインを乱して走りにくい路面に飛び込んでしまった藤波は、グビアンに敗退。1点減点を背負うことになった。このダブルレーン(スピードレース)で減点をしたのは、藤波とファハルド、そしてラガだった。
セミファイナル第3セクションで5点になったボウ。助走で滑ってしまったのだった。
第1セクションはボウだけが1点で通過。他は5点。第2はファハルドだけが1点。他はクリーン。第3は見事に全員が5点。ここまでのトップはボウで6点。2番手は10点でカベスタニーとグビアン。4番手が11点でラガと藤波。ファハルドが12点で4位だ。最近のインドアでは、クリーンか5点のセクションが多く、なかなか勝負が決まらない。なので最初のダブルレーンでの勝ち負けが、大きく結果に影響を及ぼしてくる。
ランキング2位に浮上のカベスタニー。しかしすでにボウとは13点のポイント差が開いている。
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最終セクション、3位でファイナル進出の望みがあったグビアンが1回の足つき。ほかはみなクリーンだった。これでボウ、カベスタニー、ラガ、藤波のファイナル進出が決まった。
ベータに乗り換えたファハルドは、期待されながら2戦連続でセミファイナル敗退となってしまった。ほんの少しの不運が、Xトライアルでは大きな結果になってしまう。
4名になったファイナル。顔ぶれは開幕戦と同じだ。ファイナルの一発目はダブルレーン。今度は総当たり戦で、4名が3回ずつ走る。藤波はボウだけに負けて減点1。ラガは藤波とボウに負けて減点2。カベスタニーは全敗で減点3。ボウは負けなしで減点ゼロ。
ファイナル最後のセクショントライは3セクション。最初のセクション(セミファイナルから連番なので第5セクションと呼称される)はボウだけがクリーンした。次の第6はラガが5点、藤波がちょっとバランスを崩して1点をついた。そして最後のセクションとなる。
最終結果は、セミファイナルとファイナルの減点をトータルする。ここまでボウは6点でトップ。2位は18点でカベスタニーと藤波が同点。4位に23点でラガ。ラガの表彰台はほぼ絶望的だが、カベスタニーと藤波が5点になれば可能性も出てくる。逆にカベスタニーと藤波は5点にならなければ表彰台獲得だ。
慎重に走った藤浪は、1分半の持ち時間をわずかにオーバーしてクリーンしながら減点1。いっぽうカベスタニーはインしていきなり足をついた。同点の二人が仲良く減点し、同点のまま試合は終わった。ラガはここをクリーンしたが、逆転はならずだ。
藤波が3位の表彰台。手前のお兄さんとおっさんは、誰あろう、モトGPチャンピオンのダニ・ペドロサとFIM会長ヴィト・イポリトさん
同点の場合は、クォリファイの結果の上位のものが上位となるルール。これによって、カベスタニー2位、藤波3位が決まった。あと1点どこかで節約しておけば、藤波の2位表彰台も充分可能だったが、なにせ藤波がインドア世界選手権で表彰台に上がるのは2009年のイタリア大会以来。3年ぶりの表彰台ということで、藤波とすれば、大きな収穫となったようだ。
<Posted in 12.01.24 19:23(
12.01.26 08:57 Modified)>
ボウ、桁違い。Xトライアル開幕
2012年の世界選手権が開幕した。まずはXトライアル。いわゆるインドア世界選手権だ。ノミネートライダーによるショーとしての味わいも深いトライアル勝負。
しかしこの勝負、いよいよトニー・ボウの圧倒的強さが際立っている。開幕戦、ドイツ国境に近いフランスのストラスブールでは、ボウの減点がたったの2点なのに対して、2位のラガが21点と、まさに桁のちがう強さを見せつけた。
藤波貴久はファイナルに残り、2位争いの末、4位。3位カベスタニーと同点の22点だった。
Phoro : G2F / F.I.M.
ルールは昨年同様。最初に全員でクォリファイラップを走る。今回は5セクションを5分間の設定。持ち時間をすぎるとペナルティがある。この減点によって、上位6名かセミファイナルに進出。7位以下はここで敗退だ。同点の場合は、同点決勝が行われる。セクションひとつだけの勝負だ。
セミファイナルは、最初にダブルレーン。クォリファイの結果に準じて一対一で勝負をする。勝てば減点ゼロ、負ければ1点。
これに続いて4セクションを走って減点数を競う。クォリファイとちがって、セクションをひとつずつ全員で走っていく。トライ順はクォリファイの下位からになる。持ち時間は1セクションごとに1分。これをすぎると30秒に1点ずつ減点だ。
これで順位が決まると、上位4名がファイナルに進出する。2名はここで敗退となる。
ファイナルは、最初に総当たり戦でダブルレーン。ひとりが3回ずつ走ることになる。
続いて3セクションを使って最後の決戦。勝負は、セミファイナル、ダブルレーン、そしてファイナルの3セクションの減点をすべて足して競われる。これで同点になった場合は、クォリファイの結果が上位のものが、上位となることになっている。
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クォリファイをラガと同様にオールクリーンしたボウは、セミファイナルでもオールクリーン。ファイナルのダブルレーンで藤波に負けて1点減点をとり、ファイナルの二つ目のセクション、全員が5点となったセクションをクリーンして、タイムオーバーの1点。合計2点で試合を走りきってしまった。どちらも足つきの減点ではないから、この試合、ボウはついぞ一度も足をつかなかったことになる。
クォリファイの結果を見ると、ラガがもうちょっとボウに迫ってもよかったような気もするが、ダブルレーンで3点の減点をし、クォリファイで抜けられたセクションで5点になるなど、ちょっと不本意なところもあったようだ。
ファハルドはベータでの復帰第一戦となるが、好調だったクォリファイから一転、ダブルレーンでカベスタニーに敗退して1点を失うと、クォリファイでは1点で抜けていたセクションで5点になって、ファイナルには残れなかった。
藤波はクォリファイを6位と最後の一席でセミファイナルに進出したが、そこから2位に肉薄する戦いぶりを見せた。最終的には2位ラガに1点差、3位カベスタニーとは同点だったが、同点の場合はクォリファイの成績に準じるというルールにのっとり、4位に甘んじている。
<Posted in 12.01.15 13:47(
12.01.18 20:21 Modified)>
オッサの2012年
オッサの2012年のレース活動計画が発表になっている。
2011年にエースライダーだったジェロニ・ファハルドが離籍したため、エースにはダニエル・オリベラスがつくことになった。
オリベラスは2011年もオッサのライダーとして、開発のサポートなどを行っていた。2011年に世界選手権に参戦することはなかったが、晴れて第一線の舞台に復帰することになったわけだ。オリベラスは世界選手権の他、スペイン選手権とイタリア選手権(インドアとアウトドア)にも参戦する。
女子の部では、去年躍進したのがイギリスのエマ・ブリストだった。女子世界選手権、SSDTと参戦し、かつてない好成績をおさめている。彼女はそのまま2012年もオッサのライダーとして同様の活動をすることになる。
その他、マルク・ブラットがヨーロッパ選手権などに、イタリアのサポートチームからは、ダニエレ・マウリノとマテオ・ポリが参戦する。
オッサCEOのジョーン・ガート氏は、2年目のオッサレーシングチーム誕生に際してこんなふうに語った。
「最初のチームはいくつかの失望と大きな成果があった。2年目に向けて、チームを大きく刷新することになった。新しいチームの活躍に、興奮している。2012年への期待は、2011年にチームで働いてくれたメンバーによるところが大きく、あらためて彼らに大きな感謝を捧げたい」
<Posted in 12.01.12 16:27(
12.01.12 17:02 Modified)>
ファハルドはベータへ
ベータ時代にトニー・ボウをサポートしたダニ(中央)もチームに復活している。手ごわいチームとなりそう
ジェロニ・ファハルドがベータへの移籍を発表した。すでに1月8日のシェフィールド・インドア大会(世界選手権ではない)に出場、アダム・ラガと同点の3位に入っている。
ファハルドはガスガスでトップライダーに成長した2007年にベータに移籍、トップ争いの一角を形成していた。2011年、オッサの誕生とともにそのエースライダーとしてオッサチームに参入。新設計のまったく新しいマシンでX-Trial、世界選手権トライアルに参戦した。
1年目のオッサは、1年目らしい初期トラブルにも悩まされたが、同時にファハルドのライディングも相まって、世界選手権でも表彰台を獲得する活躍を見せた。
1年後、ファハルドは再びベータのライダーとなって、世界選手権に打って出る。ファハルドの参入で、ベータのファクトリーチームはイギリス人のジェイムス・ダビルとの二人体制となる。
ファハルドのベータチーム再加入は、ベータのチームマネージャーであるドナト・ミリオ(かつてのトップライダーでもある)の決断によるもので、ミリオさんはファハルドの再加入を、チームにとっても大きな起爆剤となると歓迎している。
なお、若手の成長株、ジャック・チャロナーは、サポートチームのトップトライアルチームから、引き続き世界選手権に参戦する。
<Posted in 12.01.11 09:26(
12.01.11 09:52 Modified)>
タレスのJTGデビュー
ミラノショーで発表になったJTG。クリックすると大きな画面で開きます。
長くうわさに上っていたジョルディ・タレスによる新しいトライアルマシンがデビュー、間もなく日本に入ってくる。
JTGという名称のこのニューマシン、スペイン読みで「ホタガス」と呼ばれているが、アルミフレーム、オフセットされたリヤサスペンションなど、その乗り味が楽しみなところ。
2012年世界選手権には、ジョルディ・タレスの甥っ子であるポル・タレスがジュニアクラスに参戦して熟成を進める予定という。
ジョルディ・タレスとJTG。ミラノショーにて
JTGは、7回の世界チャンピオンのジョルディ・タレスとミキ・アルパによって開発された。タレスはトライアルマシンを、アルパはエンデューロマシンを担当している。JTGは当初JotaGasと呼ばれていたが、Jordi Taress Gasかもしれない。Gasはガスガスとは(おそらく)関係なく、フジガスのガスとおんなじ、アクセルを開ける、燃料を送る、という意味だ。
フレームはベータと同様に燃料タンクを含んでいて、非常にスリムにできている。リヤサスペンションが片側にオフセットされて装着されているため、エアクリーナーボックスをマシンの中心部分に置くことができている。その容量はざっと3リットルということで、高いエンジン性能を発揮するレイアウトだ。リヤサスペンションユニットはオーレ製。
トランスミッションは5速。キャブレターはデロルトの26φを使っている。車重65kg。現行のトライアルマシンでも最も軽い部類となる。排気量は今のところ発表されているのはポルが乗る300ccバージョンをはじめ、280ccと250ccがリリースされる予定となっている。
日本ではエトス・デザインが輸入代理店となることが決まっていて、間もなく第一陣が入荷してくるということだ。
*クリックすると大きな画面で開きます。
<Posted in 11.12.01 16:36(
11.12.06 13:56 Modified)>
ライア・サンツ、ガスガス!
左からラモン・プエンテ(ガスガス社ゼネラルマネージャー)、ライア・サンツ、サンティ・ナバロ(チーム監督)
ライア・サンツが、ガスガスと契約を交わした。9月21日にガスガス本社がリリースを出して発表したもの。ライアは2012年からは、ガスガスのライダーとして、トライアル、エンデューロ、そしてレイドと、3種目のモータースポーツに参戦することになる。
今回ライアが結んだ契約は3年間。契約を交わしたガスガスとライアは、すぐにダカールラリーの準備に入ることになるが、2012年度のトライアル活動への準備も、すでにスタートを切っている。
ライアは今25歳。これまでに11回のトライアル世界選手権女子チャンピオン、10回のヨーロッパチャンピオン(女子)、4回のトライアル・デ・ナシオン勝利(女子)、そしてダカールラリーの女子部門に優勝の功績を残している。これに2012年はエンデューロ活動が加わるわけで、この3部門にチャレンジする女子ライダーは、ライアが初めてということになる。
ライア・サンツは、2004年にベータからモンテッサに移籍。以後、7回の世界タイトルを獲得している(1回だけ、イリス・クラマーにタイトルを奪われている)。モンテッサとの関係は良好で、女子世界選手権に挑戦すると同時に、ジュニアクラスへの参戦も続けていた。過去には表彰台に登ったこともあるが、最近ではポイント圏外となることも多かった。モンテッサのライダーとして8年を経て、ライアは新たなチャレンジを開始することを決意したようだ。
<Posted in 11.10.24 08:00(
11.10.24 08:34 Modified)>
女子はスペインとライア
トライアル・デ・ナシオン(TDN)は、日曜日に男子の部が開催されるが、それに先立って土曜日に女子の部が開催されるのが通例。今年も9月17日土曜日に女子TDNが開催された。参加したのはフィンランド、スウェーデン、オーストラリア、アメリカ、ノルウェー、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、スペインの10カ国だった。
優勝はスペインだったが、2位のイギリスとは5点差。14セクション2ラップ3人の戦いは、スペインが僅差で2連勝をあげた。
<Posted in 11.09.30 12:39(
11.09.30 16:23 Modified)>
TDN。スペイン優勝、日本6位
プレゼンテーションでの日本チーム。左から、イタリアねーちゃんふたり、小川毅士、野本佳章、柴田暁、マネージャーの小谷徹、監督の西英樹と最後はやっぱりいたりあねーちゃん
9月17日・18日、イタリアでトライアル・デ・ナシオンが開催された。今年は日本が出場する世界選手権クラスに6カ国が観戦。去年の5カ国(スペイン、イギリス、イタリア、フランス、日本)にノルウェーが加わっての戦いとなった。
日本チームは藤波貴久、小川毅士、野本佳章の去年のメンバーに、新たに柴田暁を加えて構成された。ところが直前になって、藤波が感染症となって試合に参加ができず。3人での戦いとなってしまった。
結果はノルウェーに敗れて6位。しかし3人という大きなハンディを背負いながらのこの結果、新生日本チームは確実に成長し続けている。
勝ったのはもちろんスペイン。イギリスが2位、3位はイタリアだった。
プレゼンテーションでの日本チーム。左から野本、柴田、小川
藤波の感染症は、家族みんなが感染してしまいたいへんなことになってしまったという。2010年のTDNは、去年のぶっちぎられの5位の惨敗から、参戦見送りの声も多かったのだが、藤波自身が「出よう」と声をかけて実現したもの。4人の選手は全国のトライアルファンからのいくばくかの資金援助を得て、自費を投じて渡欧している。けっして楽な戦いではないが、1年1年の結果が、実績と経験の積み重ねとなり、未来に向けて、大きな道標となるはずだ。
No MOTOショー。撮影:小谷徹さん
大会に向けた週末、強烈に脚光を浴びたのは野本佳章だった。日本には世界チャンピオン藤波貴久がいて、黒山健一や小川友幸、あるいはジュニアチャンピオンの野崎史高など、そうそうたるメンバーがいる。世界のトライアルファンにも、彼らの名前はすっかり浸透している。しかし一方、海外の世界選手権に出て行かない(成績が残らない)日本人選手のことは、なかなか覚えてもらえない。現状、次にヨーロッパの人に名前を覚えてもらえる日本人が登場するには、何年待たなければいけないか、ちょっと気が遠くなるところだ。
ところが野本には「逆転の発想」があった。ここ数年、野本がこつこつとトレーニングを続けてきたバックフリップ技。お国柄、日本では披露されることはないと思われるも、ここはイタリア。ちゃんと予告をしてからやったから、大観衆が集まってたいへんな騒ぎとなった。
ギャラリーの中には、世界のトライアル関係者もずらり。アダム・ラガもトニー・ボウも、ライア・サンツもみんな野本に注目した。そして大成功。これでみんな、日本の"No MOTO"の名前をすっかり覚えてしまった。
小川毅士の走り
今年は自分用のパーツを荷物をつめてもっていった各選手。あるいはイギリス大会に参戦したマシンをそのまま置いてあった柴田選手と、去年よりは参戦体制はよかったが、それでも苦戦は免れない。なんせ、主砲の藤波貴久が欠席である。成績スコアの面でも痛手だし、各セクションでのアドバイスが得られないのも痛かった。しかしそれでも、みんながんばる。
左から2位のイギリスチーム、ドギー・ランプキン、ジャック・チャロナー、マイケル・ブラウン、ジェイムス・ダビル。優勝のスペイン、ジェロニ・ファハルド、アルベルト・カベスタニー、トニー・ボウ、アダム・ラガ。3位のイタリア、ファビオ・レンツィ、フランチェスコ・イオリタ、ダニエレ・マウリノ、マテオ・グラタローラ。
勝利はスペイン。もうやる前から結果がわかっているようなリザルトだが、日本チームに関しては、1ラップ目はノルウェーに勝っていた日本チームだったから、惜しいといえば惜しい9点差の結果だった。
TDN世界選手権クラス結果表。クリックするとPDFを開きます。
<Posted in 11.09.23 08:36(
11.09.29 12:55 Modified)>
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